まれの「たかし」がしゃべった!失語症では無く緘黙

NHK「まれ」のたかし(高志)が初めて喋った

中村ゆりか演じる池畑美南に好きな人がいる、その相手は、高志?お兄ちゃんの大輔?というところまで引っ張られ62話、今日63話の放送日でした。たかしは、アルバイト先の天中殺でも何も話そうとしないし台詞もありません。能登にいたときは、門脇麦演じるみのりがたかしの気持ちを代弁していましたがここでは、激辛ダイスキな謎の四川料理人がたどたどしい日本語でありながら的確な通訳をする珍さんでした。(笑)

 

そして美南が好きなのは、たかしではなく母親の再婚相手の息子(つまり)血はつながっていない「お兄ちゃん」の大輔だと分かりました。そしてずっと話さなかったたかしが、美南ちゃんと一緒に歩きながら突然能登弁で話し始めたのにはビックリしました。美南ちゃんも「しゃべった!」とビックリしていましたが、視聴者も「しゃべれるんだ」と驚きネットでも「失語症だったの」という声が飛び交っていました。もと緘黙児の私は、「かんもく」だったと思いました。美南の好きな相手が大輔だと分かり大輔とまれの関係性も気になります。

 

圭太は、一子と付き合っているけれどどうなっていくのこの二人?幼馴染同志相手がぐるぐる廻るっていうのもなwと気になるところです。無口なたかしとまれがくっつくのかもしれないし一流パテシェになったまれが作ったスイーツに圭太が塗った輪島塗の器を使い北陸が活性化するみたいなオチだったらありきたりと思うのは私だけでしょうか?元かんもく児の私としては、まれの登場人物の中では、「たかし」が1番気になる存在で目が離せなかったりします。それでしゃべろうとしないとかしゃべらないという意思の問題ではなくしゃべりたくてもしゃべれない緘黙が多くの人に知られるようになれば悩んでいるお母さんや子どもたちが少しでも助かるのに・・と思いました。

 

 

緘黙になるのは・・おとなしい性格だから

場面緘黙

「まれ」の「たかし」が人前で話すことができない理由として性格が典型的な臆病者で恥ずかしがりやでおとなしいからだと結論づけているサイトを見つけました。しかし、ただ性格がおとなしいから話せないのではないと思うのです。今でも私は、人よりも緊張しやすい性格だしあがり症だけどそれも程度の問題で全身に汗をかくぐらいの緊張の上がり症です。

 

私自身、保育園では一言も言葉を発することができませんでした。誰かに反抗していたわけでも反発したかったわけでもありません。喋ることができたらコミュニケーションがとりやすかったと思います。その頃の私は、家では独り言もテンション高めなおしゃべりも家ではしていたようなので特定の場所で話せない状態になっていました。

 

英語で場面緘黙症は、「Selective mutism」というそうです。沈黙とは違うし黙秘とも違う・・・緘黙は緘黙なんです。緘黙は、小児期の不安障害で話せなかったからいじめに遭ったということはなかったし身振り手振り親しい子に対してはささやき声で何かを伝えるということはできていたのでクラスの子たちも私はそういう子と思っていただけのようです。30年ぶり40年ぶりにかつて同じ保育園で過ごした仲間たちと再会しましたが皆も幼かったせいか「あのころ話せなかったよね」という人はいませんでした。ただ保育園の先生だけは、私がしゃべれなかったことを覚えているとおっしゃっていました。園児の中には乱暴な男の子もいました。父親がどなるたびオシッコをちびってしまうほど威圧的でした。保育士の先生の中には、無理やり話をさせようとする先生もいました。今思うといろいろな原因が積み重なっていますが、苦手な子や先生や親だからといって排除したら私の緘黙が治るかといういったらそういう問題ではありません。

場面緘黙

「まれ」に出てくる「たかし」も歌うときは、別人だったように緘黙の子も特定の場所で一貫して話せないという特徴はあるものの家や習い事、陸上、サッカー、スイミング、ダンスなどの自分が得意とする場面では声を発したりできるのです。ワガママで声を発しないというのは違っています。

 

ただ経験上、大人たちは必要以上に声を出させようとしていたし子どもの頃の私は、すごく重荷に感じていたし声を出そうと思っても出せない自分に焦ったりしていたことを思い出します。もし周りに私のような子がいたらプレッシャーをかけたり無理に話をさせようとしないでほしいです

 

場面緘黙の子どもたちの9割は社会恐怖症や社会的・情緒的不安を抱えています。抑制された気持ちを抱えている子もいます。また、トラウマとなる出来事がきっかけで発症することもあるようです。

 

それが場面かんもくとなってあらわれる子もいればチックとなってあらわれる子もいるし両方出る子もいるし極端に目立つ癖となってあらわれる場合もあります。私は、子どもたちに「うなづきの数が多すぎる」「スーッ」って息を吸ってると指摘されるのですが緊張しているのをさとられまいとすればするほど変な癖が頻発するようです。

 

場面緘黙

子どものころは、交感神経が優位に働くため特定の場所で話せなくなるのは、無意識に自分を守ろうとしているためで無意識的に拒否反応のように声が出なくなります。緘黙の子の中でも言語のスキルが不足していたり言語遅滞の子もいますが、大人が思う以上に話したくても話せない状況は、子ども自身にとって辛いことです。親や先生など誰かを困らせたいからしゃべれないのはないこと、本人が1番困っている状態であることを理解して欲しいです。場面緘黙症は、音声をミュートにすれば実際に音は流れているのに、音が全く聞こえないのと同じで話す能力が衰えているわけではありません。